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アウトプット
『検証バブル経済 犯意なき過ち』
(日本経済新聞編 2001年)

 暗いトンネルの中で社会、経済、政治の荒廃に直面する日本。本書は「失われた10年」と称された90年代を通しての平成不況の原因とされるバブルについて、その崩壊までに至る経緯とその後の政府・日銀の一連の対応についてドキュメント形式で書いたものである。また、日経新聞上で連載されたものをまとめたものが、同じタイトルで文庫化されている。

 今からちょうど10年前、1992年8月17日。この日、日経平均株価は1万4219円まで下がり、金融不安が現実味を帯びてきた。当時の首相であった宮沢喜一は東京証券取引所を一時停止し、国民に危機を伝え、公的資金を注入することまで考えていた。この策が現実に実行されていたら今はどうなっていたのだろうか。この本が明かす事実には驚かされるばかりだ。

 このようなジャーナリストによるドキュメントを読むことで、我々世代が史実や記録でしか知らないバブルやその崩壊について知ることができる。なまなましい記録が当時の迫力そのままに迫ってくる。一読してみる価値はあるだろう。

 誰もが、実感なきまま崩壊へと突き進んでいった。誰かが恣意的に起こしたのではない。日本全体が狂っていたのだ。本書は、このように日本全体をマクロで見たドキュメントであり、さらに金融機関の内部の問題まで知りたいというのであれば同社、「金融迷走の10年」をお勧めする。

2003/04/26
政治経済学部2年
木下祐輔